いざという時に備えて。船橋近辺で受けられる「救命救急講習」のススメ

救急救命

「もし目の前で誰かが倒れたら、あなたはどうしますか?」
そう聞かれて、即座に「対応できる」と答えられる人は多くないでしょう。しかし、誰かの命を救うための「知識」と「技術」は、意外にも身近な場所で学ぶことができます。今回は、船橋市や千葉県内で受けられる救命救急講習についてご紹介します。

千葉・船橋で受けられる救命講習は大きく2種類

千葉県内、特に船橋市周辺では、日本赤十字社が主催する講習と、地元の消防署(船橋市消防局など)が実施する講習の2つが中心です。それぞれに特徴があり、目的やスケジュールに合わせて選ぶことができます。

日本赤十字社の救急法基礎講習

日本赤十字社では「救急法基礎講習」や「救急員養成講習」などを提供しています。基礎講習では、心肺蘇生法(CPR)やAEDの使い方を中心に、応急手当の基本を約4時間で学べます。全国共通の認定制度があり、受講後には認定証が発行されるのも特徴です。

  • 対象:満15歳以上(中学生を含む)
  • 費用:1,500円(教材費・保険料等の実費)
  • 申込方法:日本赤十字社のWebサイト、または最寄りの支部に直接連絡

※実際の費用は事前にご確認ください。場所によって変動などあるかもしれません。

船橋市消防局などによる市民向け講習

一方、消防署主催の救命講習は、より地域密着型で参加しやすいのが特徴です。「普通救命講習Ⅰ」では、成人に対するCPRとAEDの使用法を中心に学び、「応急手当講習」や「上級救命講習」も開催されています。

  • 対象:市内在住・在勤・在学者が基本(例外あり)
  • 費用:無料(テキスト代が必要な場合あり)
  • 申込方法:船橋市公式サイトからオンライン申請、または消防署に直接申込

※こちらも変化する場合がありますので、受講の際は事前にご確認をお願いします。

両講座とも、オンラインまたは電話での事前申し込みが必要です。日本赤十字社は公式サイトで日程と空き状況を確認でき、インターネットで手続きができます。船橋市消防局は、市のホームページや防災課の案内ページに最新情報を掲載。市内の公民館や市民センターなど、アクセスしやすい会場で定期開催されているため、忙しい方でもスケジュールを組みやすくなっています。

障がい者スポーツと救命知識の意外な接点

ふなばしスポーツでは、障がい者スポーツや地域スポーツの現場にも注目しています。これらの活動において、救命講習の知識とスキルは非常に重要だと考えています。

例えば、車椅子スポーツの大会中に持病のある選手が体調を崩したり、夏場の屋外活動中に熱中症の症状が出たりした場合。迅速な判断と初期対応ができる人がそばにいるかどうかで、その後の経過は大きく変わります。

また、ボランティアスタッフや指導者にとって、応急処置の知識は安心感につながります。スポーツは身体を使う活動である以上、リスクゼロはありません。だからこそ、「備え」としての講習受講は大きな意味を持つのです。

スポーツをしない人にも、救命講習は意味がある

「自分は運動もしないし、現場に関わることもない」と感じる方へ。救命講習の意義は、スポーツの場面だけではありません。家庭での突然の心停止、通勤中の事故、街中での急病……。いつ・どこで誰が「助けを必要とする側」になるかは、誰にもわかりません。そんな時、胸骨圧迫を迷わず始められたら、AEDを適切に使えたら、救急車到着までの“数分”が大きな違いを生むかもしれません。救命講習で得られる知識と経験は、日常の不安を“備え”に変える機会です。

もちろん、救命講習の対象はスポーツをする人に限りません。家族のため、職場の仲間のため、通りすがりの誰かのため。日常生活で誰かが突然倒れる場面に遭遇することは珍しくありません。特に近年は高齢化が進み、地域全体で支え合う意識が重要になっています。

受講後には「自分にもできることがある」という実感が自然と芽生えます。それは、いざという時に誰かの命をつなぐ自信となるはずです。

難しい課題も出てきています―自分が「バイスタンダー」になった時に

最近は「バイスタンダー(bystander)」という言葉で表現されますが、これは「その場に居合わせた人」を指します。実際、誰かが倒れた現場に居合わせた方がニュースなどで取り上げられることも増えています。

例えば、そんな場面で胸骨圧迫を行ったり、AEDを使う際にはパッドを地肌に貼る必要があり、緊急時とはいえ誰かの衣服を脱がしたりしていいのか、そもそも必要なのかなど、すぐに判断できるか迷う人も多いでしょう。またその一方で、目の前で倒れている方がいるのに何もできず、自分を責めてしまう方も増えてきているようです。私自身も、実際の現場で即座に判断できる自信はありません。

前にも書きましたが、迷わずアクションを起こすために正しい知識習得が必要で、事前に講習を受けておくことはその手助けになれる可能性があります。こうした時に「どう判断すればいいのか」「自分がどうあるべきか」の基準を持てると安心ですよね。

おわりに:知識を「持つこと」が、誰かを救う第一歩に

「千葉 救命救急講習」や「船橋 救命救急講習」で検索すると、情報が散在していて迷うかもしれません。でも心配いりません。まずは興味を持った今この瞬間に、近くの開催情報をチェックしてみましょう。

あなたの一歩が、未来の誰かの命を救うかもしれません。ふなばしスポーツは、そんな”支える力”を持つ人が一人でも増えることを願っています。